心理学を活かしたロゴデザイン術

  エージェンシー

このブログで書くことを考えているときに、私の仲間の1人からこんなことを言われました。「色々と異なる形がデザインで使われているけど、その形をデザイナーが選ぶとき、どんな心理学が働いているんだろうね?」

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そこで私は考えました。「なぜ、あるロゴでは円に惹かれるのに、別のロゴでは四角に惹かれるんだろう?」 「あるブランドのウェブサイトでは丸角のデザインが合うのに、別のブランドのウェブサイトだと違和感を感じるのはなぜだろう?」と。多くの場合、その理由は、ブランドのターゲットにしている市場や、テーマ、そしてブランドの求める外観にありますし、見た目が優れているからというときもあります。ですが、いずれも私がデザイン学校で学んだ気まぐれな判断基準に過ぎないのかもしれません。もしくは、こうした選択の背後にはれっきとした心理学が存在するのでしょうか?

もしあなたが新しいロゴを制作していたり、クリックを多く獲得で広告を目指したりしているなら、形状を意識すると、予想以上のコミュニケーション効果を得られることがあります。

正方形と長方形

“構造”と“安全”と聞いて、どんなものが思い浮かびますか? 建物や金庫、金庫室などを思い浮かべるのではないでしょうか? 四角形がデザインに人気があるのは、そのためです。簡単に言えば、直線や直角は信頼感や信頼感を与えてくれます。それは、私たちが頼ることができて信用できるものを連想するからです。そのため、ロゴをデザインする際に、四角形を選ぶのは当然だと言えます。どんな会社も力強く頼もしいと思われたいものですから。

その一方で、正方形にはそのシンプルさから、時代遅れで退屈な印象を与える危険性があります。しかしそれは、ちょっとした色彩理論やタイポグラフィ、そしてクリエイティブな発想で解決できることです。

Square logos

円形

円形が表すことのできるものは、無限といってもいいでしょう。球体、太陽、人の顔など、さまざまなものを表すことができます。円形をデザインで使いやすいのは、その形が認知されているからです。ですが、円形をデザインに使うとスマートになる理由は、感情的な連想にあります。

円形は、三角形や四角形などの角張った形よりも、より柔らかく、歓迎されているような印象を与えます。実際、かわいらしいキャラクターをイラストレーターが考案するときには、いつもこの理由から円形を使っています。そのため、親しみやすさや身近さを出したいブランドには、円形が最適な選択肢となります。

円は、無限の形であり、結婚指輪を思わせることから、献身や一体感を表す形状でもあります。始まりと終わりの部分が存在しないことから、動きやエネルギーも感じさせます。

Circular logos

三角形

円形がデザインに動きを加えられるとするなら、三角形はその10倍の動きを加えることができます。三角形は文字通り3点の先端があり、視線を引きつけます。私たちの目は三角形の広い底辺から先の尖った先端までを自然と追ってしまうため、デザインで動きの方向性を表現するのに三角形は最適な形状となっています。

三角形でとくに興味深いのは、使用する向きによって、受ける印象が劇的に変化することです。上向きの三角形は、バランス、安定性、成長といった印象を与えます。下向きの三角形は、リスクや負の印象を伝えることができ、右向きの三角形は、前へ進む勢いを感じさせます、

Triangular logo designs

有機的な形状

幾何学的な形状では、うまくいかないときもあります。“有機的な形状”という言葉は、人工的に製造することのできない、自然発生的な形状を指すときに使用されます。この形状には、植物や動物のほか、自然環境で見かけるあらゆるものが含まれます。何の形状か容易に識別できるので、形状とその正体が結びつくことで、安心感やぬくもりが提供されます。

有機的な形状をデザインに使う場合は、ブランドのメッセージや価値観に共鳴するものを選ぶことが重要です。例えば、清涼飲料水のゲータレードのロゴでは、ゲータレードを飲んだ人が得られるエネルギーが、稲妻の形状によって象徴されています。

その一方で、有機的な形状がそのまま使われることもあります。シェルやアップルのような企業は、名前自体をロゴのアイデアにしています。

Organic logo designs

基本的にこうした理論は、ロゴ、UI写真など、全分野の芸術とデザインに応用することができます。次回デザインに行き詰まったときは、心理学をアイデアに活かしてみましょう。そうすれば、「なぜ、このデザインにしたの?」と問いかけられたとき、すぐに回答することができるはずです。

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※この記事は、ニコル・ステインバーグ(Nicole Steinberg)がBusiness2Communityで執筆しました。パブリッシャーネットワークを行うIndustry Diveを通じてライセンスされています。ライセンスに関するご質問は、legal@industrydive.comへ直接ご連絡ください。

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